黄色い目の魚

佐藤多佳子、黄色い目の魚、おもしろかったです。
この人は、若さや情熱を言葉にするのが上手だなーと思う。今回は、絵がメインになるのだけど。
最初は短編かと思いました。
ここだって言うポイントで、とっておきのセリフを持ってくるあたり、さすがです。
コロコロ変化するこころの内を、まっすぐ一人称で書き綴られると、読んでる方も揺さぶられる。
だけど、主人公には若者が学校とかで生きていくのに必要な適度な軽さががちゃんとそなわってて、心地よいです。

のこった場面

「そういう顔が描きたい」

「私は、ただ聞きにきたんだ。 どうしたの?って。」

「人と本気で関われないところがあるね。」

「お兄ちゃんが絵を描くのを見るのが好きなの。子供の頃からずっとよ。」