彼女たちの場合は

旅、のお話。
いいなあ私も旅に出たい。
江國香織の長編小説は、全部、自分のことみたいに丁寧に丁寧に書いてくれる。

女の子2人の旅って、私好きよ。
逆に、一緒に2人で旅をできるような相手じゃなきゃ、友達と呼べないような気がするんだ。

本のカバーとタイトルが素敵。

「どうしてなのかわからないが、大事なものが、礼那はいつもこわいのだった」
「そのころ何を考えていたにせよ、どんな性格の人間だったにせよ、そいつはもうどこにもいないからだ。」
「よその街の、冬の匂いがする」
「ともかく礼那は、事実にひとつも消えてほしくないのだった。」
「伝えたいことを伝えるのに、どんな言葉なら無理じゃないのかわからなかった。」
「嘘をつくと、さびしい」
「逸佳にとって、自分のよく知っている自分というのはつまり、一人ぼっちの自分のことなのだった。」

どこにでも行けると思える瞬間が、人生でもっとも幸福。