母なる自然のおっぱい

池澤夏樹の、ロジカルな思考、ここに極り。
学者かと思った。
他作品と比べた振り幅がすごい。
どっかから落ちる夢を見やすい人間は、サルの樹上生活の感覚を引きずってる?

旅の定義を、自分なりにもいろいろ考えていたけれど、池澤夏樹流の答えが聞けてよかった。
やっぱり、何が起こるかわからないから人生楽しいんです。
植村直己や、エコロジー実験施設の話、興味深かった。

「果たして、生きることではなくただ死なないことに、それほどの意義があるだろうか。」
「旅とは、何が起こるかわからない未知の未来に向かって、そのことを承知で入っていく行為」
「どこかで安楽と幸福を取り違えたのではないか」
「死の確率を相手にあれほど優雅に踊りつづけた長い歳月には、それを支えようとあれほど多大な努力を自分に強いた人生には、批判を超越するほどの意味が生じはしないだろうか。」