ショパンゾンビ·コンテスタント

なんだか、やみつきな書き手、町屋良平。
時々ね、この人にしかできない言葉の組み合わせ方をする。
繊細で、難解で、ユニークで、そして文学を愛する書き手。

「なにもかも冗談みたいになってしまうのが、ぼくと源元と潮里という三角関係においてあたりまえになってしまっていた。」
「すきなきもちをどうしよう、とぼくはいった」
「涙で夕方がみえない」
「もっとやわらかくふつうの女の魂に恋をしているつもりだった」
「ひとりでは帰らない。そういうさみしい男だった。」
「才能は周囲をしあわせにするけれど、本人はしあわせにしない。宿る肉体をしあわせにしない。才能の恩恵に与かった周囲も才能の持ち主をしあわせにしない。したいのにできない。感謝も感動もいつしか廃れていく。天才は覚醒剤を打って宿る肉体を奮い起たせる。天才を維持するのはむずかしい。天才は現象にすぎない。人間ではない。」
「ぼくはかなしくてきたない。」
「潮里がうれしくて、ぼくはよかったね。」
「こんなすごい陽光に照らし出されたぼくの人生は、ことごとく恥ずかしい。」