吉田修一の小説。
こういう、淡々とした日常が描かれてる作品、けっこう好きだな。
大したことはあんまり起こんないけど、人の内側で巻き起こる嵐、内面の変化というのに、私は興味がある。
リスボンは、行ったことない。
間違えないように選んでしまうの、分かるなあ。
これから過ごす今は、全部未来だから、未来を失ってしまったら、現在が生きられなくなってしまうとか、思うのかも。
ちゃんと間違うって、どこまでやればいいんだろう。
「そして私は、昔からその観客なのだ。憧れるような眼差しを舞台に向け、ちゃんと拍手を送ってあげる、花束を抱えた女なのだ」
「若くて美しいということが、こんなにも人を黙らせてしまうことを、私はこのとき初めて知った」
「わたしたちはどんなことでも想像できる、なにも知らないことについては」
「間違ってもいい、それでも誰かの胸に飛び込むってことが、私にはできなかったんです」
「その男の顔がちゃんと見えてる?」
「だから私も、一度くらい間違ったこと、ちゃんとしてみる」