2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

世界の美しさを思い知れ

はじめて読んだ作家さん。 ただただ旅に出たくなった。 それと、仲の良い双子の描写が、自分事のようで共感できた。 「地下鉄の改札を抜けると、双子の弟が微笑んでいた」っていう書き出しが好き。 「双子の勘ですね。俺にはもう、これしかない。」 「俺達は…

真昼なのに昏い部屋

誰かが誰かに惹かれるという、どうしようもないこと。抗いがたいこと。そういうことを描くのが得意な江國香織。 「世界の外に出てしまった」という表現はぴったり。椎名林檎が、食べ物に感動することが多いと言っていた。鮨とか天ぷらとかで、泣けてしまうの…

さくら

西加奈子の初期の小説。西加奈子の作品読んだ中で、今まででいちばんよかった。 3人兄弟の神々しさが、文章全体から伝わってきて。 狙いうちみたいに、どーんと感情が言葉の波に持っていかれる。 こどもが生まれたら、「なんで空が青いのか、」一緒に空をみ…

ほんのこども

町屋良平の最新作。 新境地すぎて、いつもにも増して難解。 難解すぎて、ついていけなくて、それでもことばのきらめきだけでも追ってしまう。 人称への執着がすごい。 文学に、筆者がのみこまれてしまいそう。「いっしゅんは、誰かにころされたのだと思う、…

南方熊楠

神童というのは、本当にいるんだなと、この人の話を読むといつも思う。 私のあこがれ。とてつもなくかっこいい。 てんぎゃんと呼ばれたエピソードと、好きなひとにあんぱんを配ってたと言うエピソードが好き。 寝る間も惜しんで学問に没頭できるくらいの好奇…

明け方の若者たち

タイトルも、装丁も、「カツセマサヒコ」という名前すら、世界観にあふれていて。 構成も、表現も、完璧に思えるくらい素敵だった。 たったひとつの宝物みたいな本になりうると思った。打算なく誰かを想う気持ちが最高純度だった。 社会人になってからの数年…

なんらかの事情

岸本佐知子さんのエッセイ。 Aマッソの加納ちゃんが、「忍者ごっこしてるやつまだおった!」と言ってたので、読んでみた。やっぱり、くだらないユーモアがめちゃくちゃ必要になる時もあって、上手くできないところとか、可愛がるために。こどものころの、ワ…

Lady Bird

サクラメントの街がきれいで、旅に出たいなーと思った。アメリカの郊外の、広い道路や街路樹や、古くからの木造と家とお庭、アイスクリーム屋や協会や、そういうものを思い出して。 誰もいない陽の当たるのどかなところで、ぽっかりとした時間を過ごしたくな…

イルカも泳ぐわい。

大好きなAマッソ加納ちゃんのエッセイ。めちゃめちゃおもろい。 突拍子もない発想が次々飛び出してきて、自由自在に遊びまわってる。 それplus、教養と人情。 出てくる歌詞とか、マイナーなのもあるのに全部知ってて嬉しかった。 でもたぶん、出会ったとして…

ギルバート・グレイプ

レオナルド・ディカプリオの演技が、すごかった。そして、ジョニー·デップが、普通の青年だった。 現在のイメージとは遠いところにある2人の共演作。とってもよかった。はじめっから死んでるようには生きない。何歳になっても。 ベッキーの声と服と華奢な躰…

ザリガニの鳴くところ

これはすごい。 専門的知識が散りばめられていながら、ちっともそれに頼りきることない、稀に見る傑作。 善悪の判断など無意味な、美しさと残酷さを伏せもつ野生。 緻密で豊かな文章と展開。風景や心情の的確な描写。 70歳の著者の初めての小説だなんて素…

Reality bites

とっても良い映画だった。 特に、カメラまわってる時の映像、かっこよかった。 スタイリッシュで、ノスタルジックで。 音楽も良くて、Squeezeのtemptedと、リサ·ローブのstayが特に。「若者たち」っていうドラマで長澤まさみがうたってたの思い出した。トロ…

エデンの東

ジェームズ・ディーンの2作目見ました。 やっぱり、孤独、反抗、刹那などという言葉が似合って、どうしても目を引く。 それとは対象的に、ジュリー·ハリス演じるヒロインの純情さが際立って、両方がとても魅力的に思えるという現象が起きてたと思う。 人物…

ラストは初めから決まっていた

恋愛小説の名手なんですね。初めて読んだ。 キャラクターの描き方と、心情表現が上手だなあと思いました。詩人でもあるんだ!主人公と熊野くんの文章、どちらも違う形で魅力的に仕上げていてすごい。「あのな、若さっていうのはさ、失われていくものじゃない…

あの子は貴族

水原希子が、きれいだった。 メインの女優さん、4人とも好きになるような映画だった。 階級とかそういうの、一対一なら乗り越えられるということが、人間の面白さだと思う。 お行儀の悪い私は、貴族にはなれない。「だって悲しいじゃん。この10年、幸一郎が…

なぜ君は総理大臣になれないのか

久しぶりにドキュメンタリーみたら、とてもよかった。 素敵な人物だと思う。 誠実で、欲がなくて。 こういう人をみると、どうして、と思う。 どうして、そんなに自分を犠牲にできるの、と。 きっと、自分に与えられた使命だと信じているんだね。 たくさんの…

日記(2022年1月)

他人に期待してがっかりするなよ。やっぱり自由人が好き。バランス感覚をぶっ壊したい。何かを一緒に笑いとばしてくれるひとがいることが強い。Aマッソのラジオ聞いてて思った。本当は、しゃんとしたいと思ってるよ。電話の向こうまで、気配が届く日と届かな…

青春ピカソ

いつか、マドリードでピカソのゲルニカを見た。 父親が、はじめてゲルニカを見た時、本当に感動したと言っていたから、それほど感動できなかった私は自分にがっかりした。 岡本太郎の文章読んでたら、やっぱり私は、もののわかる人間になりたいって、強く思…

抱きしめられたい。

糸井重里の日記みたいなものかしら。 こういうふうに、言葉が輝く魔法がほしい。2022年のテーマは、「本気」にする。ほんとうにやるために、行動してみせる。「愛がなくてもやさしくできること、愛がなくてもやさしくしてもらえることの、とんでもないあ…

苦しさ

涙が止まらない。 大好きなひとと一緒にいられないこと。 仕事に大きな時間をとられること。 旅に出られないこと。 中途半端な情に引きずられること。 やるべきことがたくさんあること。 そのままの自分では生きられないこと。 他人に迷惑をかけてしまうと思…

52ヘルツのクジラたち

町田そのこの本屋大賞作品。 よかったです。声を聴いてもらうことと。 それだけで自分が少しだけ軽くなること。 一緒に悩んでくれる人がいること。 貰ってばっかりじゃだめで、与える側にまわらなければいけないこと。 与えることは、貰うことだということ。…