2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

大江健三郎

死者の奢りや、飼育が収められた短編集を読みました。 こんなに残酷なものを書く作家さんだとは知らなかった。 すべての作品に必ず暴力的あるいは性的描写があるという。 外国人兵に対する深い執着みたいなものがあるんだろうか。 文学的には、とてもレベル…

僕って何

芥川賞受賞作なのですね。 こういう時代があったんだなあ。 なんていうか、時の流れというのはおもしろいもので、どんどん過ぎ去ってしまうので。 ダイナミックで、ひどく薄情だと思う。 母親との関係性、よくわかる。 集団の中で冷めきっている気持ちもよく…

ぬるい毒

うう、読んでて苦しくなる。 なんか、全然、許してもらえないこのかんじ。こっぴどく、徹底的に、人間の嫌な部分を洗い出されるこのかんじ。 人をいたぶることを、娯楽にできる人間が、世の中には存在すること。 「歪めば歪むほど人を魅了しそうな表情だった…

海を感じる時

中沢けいが、高校生の頃にかいた小説だという。早熟だ。 せまいところで追い込まれていくような感覚がよくわかる。 恋愛と、生活の両立あるいは妥協は、高度な技術だと思う。 文学的な素養がものすごく伝わってきて、ハイレベル。 映画になってたときの主題…

スティル・ライフ

わからんけれど、村上春樹的な美しさを感じた。 謎に満ちた男の登場、どきどきしておもしろかった! 突拍子もないことを、確かな文体とクリアな描写で信じさせてくれる。 芥川賞にふさわしい、傑作。 「ぼくはいつも計画だけなんだ。計画は山ほどある。寿命が…

世界地図の下書き

ひさしぶりに、ほっこりした。 一生懸命さに胸を撃たれる。 なんだか、辻村深月っぽい。 ひとつひとつのエピソードの質が高い。朝井リョウの小説は、メッセージが明確で伝わりやすい。 自分のこと、好きになってくれるひとを求めて、人生を冒険したいな。 「…

夏の朝の成層圏

池澤夏樹の初期の小説。 細やかな細やかな描写によって、時間や環境とともに訪れるひとりの人間の変化が描かれる。 これだけのものを書くのに、どれほどの忍耐力が必要だろうかと思った。 確かで豊富な風土の知識のために、小説全体が現実的な実感をおびてい…

アニー・ホール

ウッディアレンの存在をはじめて知る。 ダイアナキートンがとてもチャーミング。 absorbだけど、 stii want eggs な恋人たちの関係。 自由自在に見えるおしゃべりがとっても斬新。 レベルの高いスタンドアップコメディをずっと見てるようなかんじかな。 映画…

ぶらんこ乗り

どうしよう、こんなにも愛おしい小説はほんとにひさしぶりだ。 リーガルリリーのぶらんこという曲が大好きで、もととなった小説、ずっと読んでみたいと思ってた。 すばらしかった。 文章が切なくて、軽やかで、繊細で、ぶらんこみたいにゆらゆらして浮いてる…

ムーンライト

映画見ました。 いいラストシーンだった。 少年の人生の最も大切な人生の瞬間をみているかんじ。 Don't let anyone decide your way ですね。 ほんとうにやりたいと思うことは、やったほうがいい。 私は働いてるとき、自分が自分ではない感覚が強いけれど、…

バッファロー’66

ヴィンセント・ギャロの存在感。 瞳の色が最高にクール。 監督や音楽や美術も担当してるとは。 唯一無二の世界観で、かっこいい。 繊細で、神経質で、不安定で、臆病で、気違いで、孤独な主人公の演技が凄すぎる。 丸まって眠りたくなるんだ。 クリスティー…

マグノリアの花たち

ひさしぶりに、the 名作映画を観ました。 ジュリア・ロバーツきれい。 女優たちの演技が迫力あって、装飾や絵力がすごい。 そして、登場人物ひとりひとりに魅力があって、笑える場面がとっても多い。 人生経験豊富な女の人たちの会話って、いつ聞いてもおも…

Juno

ずばぬけたコメディセンスで16歳の妊娠というシリアスなテーマをねじふせててすごい。 あんなに物分りのいい親は他の映画でみたことない。 何もしないのにステキ。っていう告白はじめてきいた。 ジュノはもちろん、リアやブレンやダディやブリーカーが最高。…

ヤング≒アダルト

よくあるラブコメかなあって思ってたけど、最後、少しだけ裏切ってくれてよかった。 Life, here I come って終わり方かっこいいね。 あんだけ雑な主人公はじめてみたかも。でも外見だけ完璧に決まってる感じ。 だからこそ、Sladeのパーカーを着た姿が痛々し…

心をととのえるスヌーピー

Peanuts大好き。ユニーク。 谷川俊太郎の詩もよいですね。 それから、禅の考えに、自分の考えがとっても近いことがわかった。 葉っぱみながら、マヌケって言われながら、幸せだなあって思うスヌーピーの気持ちがよくわかる。 「もし一度に七日生きようとした…

これはちゃうか

加納ちゃんの小説集。わたしはエッセイのほうが好きだけど、でも文章の才能がありすぎる。 人間のこと、よく知ってるなあって思う。いろんなタイプの人間のこと。 いつかラジオで、人間が好き、とか、言葉が好き、とか言うひとに違和感があると言っていた。…

絶望の国の幸福な若者たち

古市くん、しっかり社会学者であった。 古い本だから今では当たり前の感覚になってることも多いけれど。切れ味鋭い。 本人の、当事者感もあいまって、センセーショナルな本ですね。 徳富の若者の人格五類型化はおもしろいかも。 模範青年、成功青年、煩悶青…

日記(2022年12月)

大好きな12月。はじめて雪が降る。アドベントカレンダーをめくり始める。 毎日おいしいお菓子を食べている。クリスマスの紅茶をたくさん購入してしあわせな気持ちになる。 からだが冷えてゆく。さびしいのも好きだけど、部屋はあったかくしようと思う。 熱が…