2023-01-01から1年間の記事一覧
生方美久のデビュー作。 諦めることをテーマに、言葉のおもしろさや、世間へのささやかな反抗が、詰まってるさすがの脚本だなあと思いました。 叶った夢は、見えづらくなるけど、なくなるわけじゃない。 自分の実力が明らかになったら、諦めるのは前向きな決…
ああ、素晴らしかった。 特に、最終話ののりことあやの迫真のやり合いが、歴史に残る素晴らしい名シーンだった。 けんちゃんとの3人の絆がよかったなあ。 広いお家での3人のわいわいしたところ、見てるだけで楽しくなった。 山口智子の、テレビとは思えない…
12月なんだな。嬉しいな。 ちょっとサイズ大きいですかねって聞いたら、いいんじゃないですか、好きで着るんですからって言われた。店員さんとしては、模範じゃないかもだけど。 後輩にごはんを奢る。免罪符みたいなかんじなんだろうか。 ぐらぐら揺れている…
吉本ばななの真骨頂みたいな小説だ。 丁寧で、ゆっくりで、力強い。 庭でぼーっとするところとか、自分に重なるところがあって驚いてしまう。 かけがえのない人に、正しい時に、正しいことをしてあげられる人間でありたいと思う。 自分も、弱ったときに、正…
伊坂幸太郎の絵本なんて、少し意外で、とても素敵だ。 人間の、悪いところ、ひねくれたところをきちんと見つめながら、愛のある物語を生み出し続けてくれる。見事な伏線回収とともに。 絵本の中でも、著者らしさを感じた。 絵も、明るすぎないトーンでよいで…
いつ読んでも、はやみねかおるは最高だ。 子供の時から、ずっと変わらず、ドキドキワクワクを与え続けてくれる。 夢水も、クイーンも、トム・ソーヤも大好き。 ユーモアに、何度も声を出して笑ってしまう。 自由自在にかけまわる愛すべき登場人物たちに、日…
川端康成の親友、読みました。 外国の児童文学を読んでるみたいだと思った。 人と人との関係性や心情の変化がとても丁寧に書かれていて。 一人称がゆらゆらと移り変わっているのも少し不思議な感じがする。 川端康成は、女の子の双子に関心があったのだとか。…
相当よいです。 やっぱり、会話劇はおもしろいなあ。カルテットみたい。 テーマも素晴らしいし、4人の関係性も素晴らしい。 みんな、かわいすぎる。 両想いじゃなかった、想えてなかった、っていうの、少し刺さった。 楽してるだけ。とか、戻ってきてほしい…
川村元気、小説家として知ったから、偉大なる映画プロデューサーだってこと、知らなかったな。 表紙の黄色が好き。 認知症の母に対する苛立ちや愛情が、ぐちゃぐちゃになっていく感覚、わかるなあと思う。 いつか、後悔する日が来るんだろうか。 親になると…
長田弘の教養の深さに感服する。 エッセイを読んでると、自分では決してたどり着くことができない作品に巡り合ったりして嬉しくなる。 好きな人の好きなものを知ることで、つながっている気分になれるからかな。 言葉を、自分のなかに豊かに持っていたいとい…
久しぶりに、穂村弘の歌集。 かっこいいな。自由で、鋭利で、愛があるかんじ。あと、ときどき情けなくて、ロマンティックで、でもドライなかんじ。 「真夜中の中古車売り場で思い切り振って渡した三ツ矢サイダー」 「知ってるか? 自由の女神は10$でどんなこ…
すごく早熟というか、文学のレベルが高い書き手。 川上未映子的な激しさがありながら、推し燃ゆにもあったようにSNSなどに対するひどく現代的な感覚を持ち合わせていて、唯一無二の感じがする。 「今度こそうーちゃんはかかを壊さずにであいたかったかん、た…
真藤順丈、同時期に3作品で新人賞を受賞してデビューしているのか。 この人の小説は、語り部の物語みたい。 歴史や地理に明るくて、精密さと大胆さが見事に混ざり合わさった文体だなあと思う。 それから、目に見えないものを描く力がとても強い。 いつのまに…
とてもかわいい装丁。 ポップな文体で、感覚が自分によく似ているように思える。同じくらいの年の人が書いたんだって、すぐわかる。 やさしくて、自意識過剰で、くすっと笑える。 ボーイ・ミーツ・ガール・アゲインのユーモアが好きだった。 「見えてるもの…
こんなすごい脚本、あったんだ。 怪物や、それでも生きていくに近いシリアスなテーマで、全然逃げない坂元裕二の脚本に心から敬服する。 人は、今だけじゃなくて、思い出と夢の中に生きる。ほんとうにそうだな。 主人公の豹変ぶりがすごくて、真っ直ぐさが怖…
俵万智の短歌集。 やっぱり独特の、素朴で、安心して、少し危うくて、色気があって、奥行きを感じる歌を書く人だなあ。 母の目線で子を読んだ歌がとても多くて、愛が伝わってくる。 いろんなことを、許してくれそうに思えてしまうのです。 「「鳴かぬなら鳴…
短歌くださいシリーズの新しいやつ。 好きな短歌は、明るかったり、かわいかったり、さびしかったりする短歌。 同じ時代に生きている人が、それぞれいろんなものの見方をしながら歌をつくっているなんて、楽しいな。どこかで話ができたらいいのに。 10代の女…
素敵なドラマ。 ほんと、素敵なドラマ。 ハピネス三茶の4人の住人たちが魅力的で。特に、ともさかりえがチャーミングで輝いてた。 毎回の、市川実和子のナレーションが泣けてくる。 浅丘ルリ子や小泉今日子もかっこよくて、絆さんのことを好きな男の子も最高…
甘えた字を書いていることに気づいた。 自分にとってかっこよくありたい。 いつも、時間がゆっくりしてていいですね、ってカフェの店員に言われる。 チキンパイとアップルパイ。この世でいちばんの贅沢をする。 今年は紅白は見れないけれど、櫻坂が出るの嬉…
ムーミン、ちゃんと読むのははじめて。 みんな、それぞれのキャラクターが人間らしい複雑さを抱えていておもしろい。 自分勝手で人の話を全然聞いてないところとか。ものの数分で、見えてる世界がころころ変わってしまうしところとか。変なこだわりにしばら…
とってもシニカルで感傷的なこの人の文章が好きだなあと思う。 すごく近くにいるかんじがする。 結婚式が嫌いだ、っていう感覚、おもしろい。なぜか夫妻は私を呼び出す。 若いうちに、たくさん小説読んで、旅にもでるね。ものを創るね。 「自分は人を変えら…
大好きな坂元裕二と宮崎あおい。吉沢亮とのコンビもめちゃくちゃ爽やかでよかった! 久しぶりに、華やかで見てるだけで楽しくなるような映画。三谷幸喜作品みたいだった。 ベタだけど、坂元裕二は元々トレンディドラマを書いてた人なのだものな。 カルテット…
サガン、2作目を読んだ。 こんなにもじっくりとたっぷりと、人の本質に踏み込んでいくような恋愛小説は流石だ。2人の価値観の違いがどんどん浮き彫りになって束縛が苦しくなっていく過程がよく分かる。 自分の中で、いろんな感覚が次から次へと湧き上がって…
山田詠美という作家さんのことを、全然知らなかったなと思った。 こんなにも異色で官能的な作品を書くのだな。ぼくは勉強ができないのイメージと違ってる。 マリア姉さんに、卒業証書をちょうだいっていうところがよかったな。 過激な言葉の応酬が、深いとこ…
これまでの加藤シゲアキの作品とは一味違って、重みを感じた。 ミステリーでありながら、社会的なテーマにもいろいろと切り込んでいて、だけどエンタメとして成り立たせるためのいろんな工夫があって。 秋田がテーマだったから、親近感を感じました。土崎空…
7年もの月日が過ぎたとは、考えがたい。 右目の下の痙攣が止まらない。 彼と別の女の人にできた子どもをもらうかどうか、とか、いなくなった彼女の息子が訪ねてくる、とかそういうこと。 頭をからっぽにして作業するのは苦じゃない。苦手なのは、急かされる…
少しファンタジー要素の強い江國香織の長編。 童話のようなものが得意なのも頷ける。 そして、いたるところに江國節がきらきらしている。きれいで切なくて、かなしくて、一言で刺しにいくような鋭さがある。 重婚とか、けっこう斬新。 「このごろ、私はすぐ…
すばらしかった。パルムドールも納得だ。 ゆったりとした時間の流れの中で、沈黙の中で、非常に繊細な人間どうしのやりとりが丁寧に描かれている。 砂漠の中の色彩も、美しい。ビル群とハイウェイも美しい。 言葉を失ってしまうことも、とても閉鎖的になって…
ラストシーンが衝撃的。死のバレエって呼ばれてるのか。 実在した2人の話なのね。 明るい映画なのかと思ってた。実際、舞台はテキサスで、映画のトーンは西部劇みたいで明るいのだけど。 明日はない、って言葉どおり、どんどん未来が閉ざされていって、追い…
池澤夏樹の短編集。 音読して読みたくなるくらい、きれいな文章。恐ろしいほどの知識と、絶対的な安心感がある。 特別に好きだったのは、アステロイド観測隊と、北への旅。 アステロイド観測隊は、機知にとんでいて、わくわくして。少しまぬけで、現実的な問…