2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

掏摸

全然明るくない小説のトーンが、柳美里に少し似ているな、と思った。 少年の死までもをすべて規定するという貴族と少年の逸話が、印象的だった。 エンターテインメントとしても、おもしろかったです。「消えてほしくない人間ほど、最後は悲痛に、長くは生き…

津軽

太宰治の人間らしさ、それから津軽の風土がぶんぶん伝わってくる。 終わり方、かっこよすぎる。 本当は、要領悪く、生きていきたい。「私にとって、ふと、とか、われしらず、とかいう動作は有り得なかったのである。」「大人とは、裏切られた青年の姿である…

とるにたらないもの

江國香織の、日常が書かれてて楽しかった。些細なこと、どうでもいいと切り捨てられてしまうものを、たくさん拾い集めたい。やっぱり、自分でも素敵だと思うような毎日を送れるように、がんばってみようと思った。お風呂のなかでいろんなことの決心をすると…

パプリカ

映画見ました。 筒井康隆の本も読んでみたくなった。 設定や出てくるキャラクターが魅力的でおもしろかったし、音楽と絵がすごすぎる、アニメとして傑作。夢と現実、子供と大人、男と女とか、いろんな対立する要が盛り込まれていて、ストーリーやセリフも、…

物語のなかとそと

江國香織、散文集。 2時間お風呂に入るとか、シャボン玉液をいつも持ち歩くとか。この人の生き方がまるごと好き。キンカンベリー「植物じゃないんですか?」 「職業柄、言語を絶する訳にはいかないからだ。」 見合い「結婚?この人と?なぜ?」 「何もかも…

鈴虫炒飯

おもしろかった。 好きなのは、水玉刺青、軽薄連打、戦車通学、居候昼寝、芸術逃亡、とか。3万択問題を出題する俺を止めるな、っていう文章かっこいい。 田中象雨さんって若い女性なのね。 いろんな書体がかっこいい。私もひとつ考える。今は、睡魔圧勝、か…

ポリス・アカデミー

コメディっていいね。アメリカのコメディは、本気のお色気が見れるのが楽しい。 そして、やっぱり、主人公がどれだけ魅力的かってことにかかってるんだろう。 キャラクターもわかりやすくて。 現実世界の中で、そういう劇的なことが起こるのを、やっぱりいつ…

ブルース・ブラザーズ

めちゃめちゃおもしろかった。 こんなド派手さは、邦画では出せない! そして、音楽が素晴らしい。 何台パトカーぶっ壊すのさ。 アクションあるあるとして、主人公の運転スキル高すぎる問題はあるけれど。 終わり方も、よかったです。 映画が始まった時には…

世界の中心で、愛をさけぶ

前にも、読んだことあったかも。 この作家さんは、すごく豊かな表現力。 その中に、軽妙なユーモア。 恋愛小説をこれだけどまんなかから堂々と描ききるの、なんかかっこいい。「朝、目が覚めると泣いていた」で始まる出だしも、タイトルも、インパクトある。…

死んでいない者

ちょっと、この本を正当に評価できるほど私には実力がないなーというかんじ。 一人称がコロコロ入れ替わるようで俯瞰的で、登場人物が多すぎて徹夜明けの頭にはきつかった。 たぶん、恐ろしく正確な言葉の使い方をする作者。 会話と会話でないことの境目や、…

赤と青とエスキース

伏線回収が見事だったけど、そこまで引き込まれなかったかなあ。 やっぱり、プロットを大事にすると、こじつけ感が出てしまうというのが、悩ましいところだ。 でも、ふつう、と奇跡は両立するんだな、と思わせてくれた。「どちらの立場になっても、私はいつ…

日記(2022年4月)

作品を、完成させる。淡々と、仕事を進める。春になったら、気持ちが明るくなりました。 早くみんなに会いたいな 。はじめて何かを認められると、こんなに素直に嬉しいんですね。海を、1時間くらい眺めていました。色が変わっていくのを、ずっと。海の近く…

転々

いい映画でした。 変なものが次々と登場しておもしろい。 不思議な空気感。 オダギリジョーは声がいいんだな そして吉高由里子の破壊力。卒業するとき全部写真燃やした 別人の人妻 バスケットボールをキャッチできない黒人 警察の前だけ静かになる派手ギタリ…

ヤンヤン 夏の想い出

良い作品だった。 ヤンヤンのずばぬけたかわいさはもちろん。 子どもならではの動きや目線、考え方が、とっても伝わってきておもしろかった。 長尺だけど、ぜんぜん飽きない。 それぞれの物語がていねいに語られていって、生きることの難しさが、静かに胸を…

黄色いか黄色くないか

タイトルのセンスが抜群。 Aマッソというコンビ名もそうだけど、いつでも斜め上のことば選びが新しくて、追いかけてしまう。 コンビで、女の子としてのかわいさを失わないまま、十分キテレツで、ぶっ飛んでる。 加納ちゃんの知識や語彙力、反応のよさが、賢…

くるり

「ハイウェイ」と「言葉はさんかく心はしかく」が異常に好きなので、くるり発掘ナイトをやりました。 本当に幅の広い音楽をしている人たちで、曲数もすごいから全部は聞けなかったけど。 東京、魔法のじゅうたん、女の子と男の子、superstar、ナイトライダー…

イルカ

ふたたび、よしもとばなな。 ちょっとオカルトすぎると酔ってしまうけれど。 出産の話、他人事じゃない。 よしもとばなな作品の主人公は、まったく卑屈じゃないところがいい。絶対に悪びれず、時々、鼻につくほど、自信に満ちあふれているところ。そういう生…

なんくるない

ひさしぶりによしもとばなな読んだら、やっぱりすごかった。 わたし、ほんとにこの人の書く文章好きなんだった。 すてきな表現があふれてる。不思議な説得力がある。やたらめったらいろんな言葉を駆使して、言葉にならないようなことを、言葉にしてしまうよ…