2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

檸檬先生

高校生が書いたのか。 なんだか、熱量を感じる文体だ。 共感覚のひとの描き方が、とっても丁寧で、視点がすごいなあと思いました。 その人しか見えなくなるようなせまくて苦しい人間関係を、持ってみたかったなあとか思いました。 「先生が何を言いたいのか…

溶ける

井樫彩監督。若い女性監督。 とても核心をつくような映画をとるのだな。メッセージがクリアに伝わってくる。 逃げろ、って言うところ、とっても気に入った。 逃げてもいいって、そうやって、自分に言い聞かせてる。 さっちゃんのばいばい、もいいなと思った…

青い春

松本大洋原作なのか。 ユニークな作品。 松田龍平、いつも、目が離せなくなる。 一晩中の空の色とか、桜とか、小さい先生とか、黒い生き物とか、焼きついてしまう。 カメラワークとか、映像の工夫がとっても散りばめられてるのがわかった。 グッドタイミング…

神様の友達の友達の友達はぼく

言葉があふれ出てくるような最果タヒのエッセイ。 自分にしか見えないものを、信じている人の文章だ。 他の誰からも聞いたことないような、でも納得してしまうような、そんな感覚や主張が次々に繰り広げられていてすごいなあ。 「ひどいことを言った相手が過…

スクラップ・アンド・ビルド

今頃になってはじめて読んだ羽田圭介。 なんだろう、人間の業みたいなもの、不可解でいやらしくてどうしようもないもの、生への執着とか、自分本位の思い込みとか、介護を通して描かれるっていうの、おもしろかった。内面と外面の乖離、或いは並走、みたいな…

野良猫を尊敬した日

やっぱり大好きな穂村弘のエッセイ。 よんでるこちらがイライラしてきてしまうほど、だめだめな作者。 だめだめ具合で自分を下回ってくれるから、安心して読めるのだ。こんな人いない。 だけど、この人はいつも、心の琴線に触れる言葉を書く。自由で、個人的…

中庭の出来事

久しぶりの、恩田陸。 チョコレートコスモス然り、演劇ものはおもしろい。 複雑な入れ子構造で、少しわけがわからなくなってしまうけれど。 恩田陸の小説には、ページをめくらせる力がある。 「でもね、やっぱり、今まで残ってるものって、それなりに理由が…