2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ケイコ目を澄ませて

岸井ゆきの、素晴らしかった。 あとは、空の色がとってもとってもきれいで。 ボクシングのステップが鬼気迫る。 ジムが閉まるとき、信じられない。受け入れがたい。許せない。って書いてるところ、こころを撃たれた。 どうしようもないことややりきれないこ…

ビギナーズラック

帯文を小山田壮平が書いていたから手に取ってしまった。 なんだかロックな短歌たち。 噴水がキラキラ喘ぐ 了解ですみたいなメールをたくさん送る あなたには言えないことがおおいから草原、こんなにもぼくの胸に 印象派展をみにゆくぼくたちに春 むき出しの…

えーえんとくちから

笹井宏之。 とても好きになった歌人。 若くして亡くなってしまった歌人。 この星に消灯時間がおとずれるときも手を繋いでいましょうね 空と陸のつっかい棒を蹴飛ばしてあらゆるひとのこころをゆるす ふわふわを、つかんだことのかなしみの あれはおそらくし…

東京ゴッドファーザーズ

友達とわいわいしながらみた。 素晴らしかった。 絵がとっても細かくてリアルだし、コメディのセンスが抜群。 軽やかで、長すぎなくて、ちょっとヘビーでユニークで。 口が悪いのってなんでかっこいいんだろう。イサギいいからかな。 クリスマス映画、もうほ…

フィフティ・ピープル

韓国文学。 ところどころ、とっても気になる描写があったけれど、あんまりはまらずに、読むのにかなり時間がかかってしまった。 日常ですれ違う同僚的な親しさを、公平で常温の視点を持って書いてる。 「よく笑い、優しく、親切だが、決してわかりやすい人で…

たんぽるぽる

雪船えまの歌集。 天才的にかわいいときがある。 病的にかわいい。 「恋びとのうそと故郷の羊肉が星の散らばる新居に届く」 「おまえよく生きてるなあと父がいうあたしが鼠にいったことばを」 「もっとも旅にみえないものが旅なのか目覚めて最初に見るぬいぐ…

まほろ駅前多田便利軒

けっこう最高の映画でした。 アヒルと鴨のコインロッカーのコンビだ。 松田龍平のはまり役。こういうときの松田龍平はほんとうにかっこいい。 挑発してるとことか、ね。 男の友情的な映画は、良質なものはあまりないけれど、とてもよかった。 子どもとの会話…

あの人と短歌

穂村弘がいろんな方と、短歌のお話をしている。 吉澤嘉代子さんがいてびっくり。 ブックデザインの世界もおもしろいなあと思いました。 「いいえ。あなたは、こんな小さな村へは二度と戻ってこないわ」 「無垢な日本で」 笹井宏之「砂のない砂漠と水のない海…

ウエハースの椅子

傍から見れば、狂った女のひとの物語。 不倫から、抜け出すことができない。 こんなふうな恋をしてみたいと思う。 人生は絶望とイコール。 キルケゴール「絶望は死に至る病だ」 「父も母も泣かなかった。私も妹も泣かなかった。泣いてはいけなかった。それが…

革命前夜

知人からおすすめされて読んでみた。 おもしろかった、けれど、ちょっと長く感じた、、。 歴史的背景や、音楽的表現の知識が凄くて。エンタメとしての完成度はとっても高いのですが、ただ、スパイをめぐるあれこれが、ちょっと説得力に欠けたかなあという印…

初恋

Netflixのドラマ、みました。 キャストが最高。 佐藤健と満島ひかりはもちろん、若い頃の2人や綴、夏帆ちゃんや小泉今日子など、ほんとうに素敵だった。 「自分のもてるいちばんきれいなものを渡したい」っていう気持ち、忘れないでいたい。 映像がきれいで…

心を病んだらいけないの?

たくさんの社会問題が話し合われていておもしろかった。 なんか、タイトルと内容がつり合ってないような、、。 鋭い指摘がたくさんです。 「神ではなく人間を信仰の対象としてきたことは、日本における「条件なしの承認を与える場」の乏しさにつながっていま…

もしもし、運命の人ですか。

穂村弘の恋愛エッセイ。 ちょっと有り余る自意識が鼻につくこともありますが、なんてったっておもしろい。 おでこに相手の順位が出るセカイ、残酷だなあ。 すぐに女性を女神にしてしまう、穂村弘。 「うまく云えないんだけど、たぶん初めてのことをふたりで…

にょにょにょっ記

穂村弘の日記のようなものと、フジモトマサルのイラストがキュートな一冊。 なんでもない会話や出来事から、無限に広がる空想のセカイ。 芸人さんのラジオみたいね。 「元気さの単位を考える。 1ハイジ=10クララ」 「懐かしさに涙ぐむ年輩男性もいる。私…

鳥肌が

穂村弘のエッセイ。 印象に残ったのは、結婚相手が放火して離婚した話。 嘘をつこうと思えばつきとおせるであろうこの世界で、何を信じて、何を大事にするのかって、むずかしいけれど。 でも、嘘のあるところには必ず歪みがあって、そのことは、絶対にわかる…

桜前線開架宣言

たくさんの歌人の作風を知ることができるとても良い本で、とにかく山田航の解説がすばらしい。 お気に入りの歌人がみつかると楽しいね。 自分の好きなことばの並びが分かりやすいな。 けっこう前の本だから、新進気鋭シリーズとかも入ってくる続編が読みたい…