2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

犬のかたちをしているもの

さすが芥川賞作家だ。 セックスがしんどい時のこと、そう感じることで生まれてしまう関係性の歪みみたいなものを、正面切って、でも淡々と描いていてすごい。 奇妙な設定も引き込まれるし、ミナシロさんの存在もよい。あっけらかんとしてる人、ムカつくけど…

パリの砂漠、東京の蜃気楼

窓から遠ざかることを最優先に生きてきた筆者。最後のところが心に残る。 理由もなくずっと苦しいこと。どうしてこれまでやってこれたんだろうと思うこと。 それでも、生きていくこと。 日本という国の抑圧も、よく分かる。だけど、母国なんだ。 「今日は何…

奇面館の殺人

綾辻行人、2作目を読みました。本格ミステリ、楽しませてもらったな。とにかく設定や謎解きがワクワクする。 10作シリーズ、全部読めるかな。 登場人物や世界観がつながっていてよい。 緻密に緻密に、書いているのだろう。 ちょっとぶっ飛んでるのだけど…

増田まんが美術館

大量のまんががあって最高でした。 森園みるくのkiara、1巻だけ読んでゾクゾクした。 それから、ジョジョの奇妙な冒険、3巻まで読んだ。やっぱり、戦う系はあまりハマれないのかもしれない。だけど、荒木飛呂彦先生への興味が尽きない。 今日の一番の収穫は…

きりこについて

西加奈子はすごい。 こんなに正面切って、ぶすについて書けるなんて、本当にすごい。きりこのパンチ力はすごい。ちせちゃんもいい。 ヤリマンでも、強姦の被害者だ。 言葉を濁したりしない、魂の作家さんだなと思う。 誰に何と言われようと好きなように生き…

泣く大人

前も読んだのに、読み返してしまった。 江國香織の生き方が好き。 男友達に関する考え方、とってもよくわかる。 柔らかさの中に、信念を曲げない強さがある。 会ってみたいって思う、数少ない作家さんの1人です。 「たとえば髪を染めたりオートバイに乗った…

天空の城ラピュタ

改めてじっくり見たら、やっぱり素敵な素敵な映画だった。 いろんなメッセージと、ロマンと、あたたかさと、ユーモアと。 単純に、ジブリの絵が大好きだって思うし、脚本も含めて、こんなにハイレベルな世界観を創り上げることができるのが信じられない。 パ…

恋とそれとあと全部

住野よるっぽい作品だなあと思う。 とっても、なんていうか、めんどくさくてこっぱずかしいような。 めえめえ、サブレ、えびな、ダスト、ハンライのキャラ設定がなかなか良かったです。 あと、「私のお父さんが死んだことを夏の思い出にしないでください」て…

図書館で暮らしたい

辻村深月のエッセイ。 誠実で、穏やかな人柄がよく伝わってくる。本やアニメ、漫画への愛が伝わってくる。 いつか、サイン会とかいってみたいと思った。あと、やっぱり図書館ばっかりじゃなくて、新刊買いたいなっていう気持ちになった。 ジョジョの奇妙な冒…

性交と恋愛にまつわるいくつかの物語

高橋源一郎、こんなに攻めた作品を書いていたとは知らなかった。 めちゃめちゃあけすけに、ユーモアを織り交ぜながら、わりと過激な内容が進んでいく。差別発言的なものもばんばん出てくるし、けっこう圧倒されてすごいなと思った。 人間の、醜くて惨めな部…

卒業するわたしたち

加藤千恵の短編集。短歌と同じで、なんだか感傷的でベタな世界観。でも読んでしまう。 おばあちゃんになっても、たぶん、いつまでも少女の部分がある。 「離婚理由は、この先さまざまなものを共有する自信がなくなったから、だって」 「本当に欲しかったもの…

星の子

今村夏子の星の子。 今村夏子は、淡白で上品で少し奇妙な世界観を持っているイメージ。 無駄な言葉がない。 ただ、宗教団体の一員である親を持った子どもの生活を、穏やかに、偏見なく、たまに鋭く書ききっているのがすごいなあと思う。 静かなのに、雄弁な…

坂口恭平

スペースの坂口恭平と宮台真司の対談を、いまさらながら聞きました。 坂口恭平という人間が、びっくり仰天だった。 絵と、音楽と、文章と。命の電話とシャーマンと、セックスとドラッグと。 革命家なんて、日本にいないと思ってた。 子どもとの話し方が、率…

日記(2023年8月)

幽体離脱がうまくできない。 心が通えたかもしれない瞬間が、嬉しかったですよ。 夏の週末。一人で自転車を漕ぐ。何でもできる気がする。 覚悟を決める。3月まで、走り抜ける。 酔っ払ってブラックアウト。 何やってんだろう、苦しい。 眼の前のこと、大事に…