2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

熱源

北国の話。歴史小説的な側面も強いのかしら。知ってる名前が次々出てきて面食らった。 私は、アイヌの自然観に興味がある。 人々が、どういう風に自然を捉えるかという点に、とっても興味があるの。「古来からのアイヌの生き方は、いつのまにか半ばを奪われ…

東京百景

小説ばっかり読んできたから、エッセイとか、あんまり親しんでこなかったんだけどね。やっぱり、個人的な話っていうのは、おもしろい人から聞けばいつでもおもしろくて。又吉君は私とわりと生活圏内がかぶる傾向にあるからよりおもしろくって。 ちょうどよく…

悪友 予言

2つの歌集を読みました。 難しいことされても、分からない。 だけどやっぱり、言葉は有限なのに無限。無形なのに有形。 ~悪友~ 「銀幕が色褪せていく傍らできみの泣きやみ方を見ていた」 「宇宙船みたいな水上バスがゆく なにを忘れてくれてもいいよ」 「…

俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

久しぶりに、とっても後味の良い小説に出会った。感情の描写が、的確。 人物像の浮かび上がらせ方も、どこか冷めた視点も、人のぬくもりの描く時の温度感も、小説の終わらせ方も、全部いい。 「挫折って、自立してないと味わえないことだから。」人生には、…

ドミノin上海

恩田陸の、エンターテインメント小説。この人の、ある種のカバー範囲の広さを、私は敬愛してる。 ノスタルジアの魔術師と言われながら、一方でこんなにもコミカルに大作を仕上げてくるのだもの。 アウトローパンダ好き。

クララとおひさま

カズオ・イシグロの本を、初めて読んだ。 装丁が、素敵なんだ。 丁寧で綺麗な文体。それでいて、影にいろんなテーマを潜ませる、文学ってこういうことなんだなあと思った。 完成度が高いんだね。だけどね、エキサイティングとは言えなくて、単純に趣味の問題…

赤色エレジー

神保町の古本屋で見つけた、「ガロ」連載の漫画。 赤と黒と白の三色が、味わい深くて良いのです。 ラスト3ページくらいが、何度見ても痺れる。 このラストのために、手元に置いておきたいと思う数少ない作品だね。 突き抜けてかっこいい。 ほんとに。 売れる…

3人

友達と、友達のボーイフレンドと、3人で海で焚き火をした。 火を見つめて、とうもろこしにかぶりついて、小枝を拾って、裸足で寝転んで、少し喋って。 いい気分で。 槇原敬之の、「3人」っていう曲が好き。 人間と人間との関係に、こうでなくてはいけない…

白神山地

白神山地に行きました。 私は木が好き。森が好き。 ブナの木もとっても好き。 木の冷たくてざらざらした肌ざわり。 夏の山はむんとして安心する。 山の中に住みたいような気もしてるの。久しぶりに双子にあった。 私たちはやっぱり楽しい。 いろんなことがめ…

1R1分34秒

町屋良平の芥川賞受賞作品。 この作品に関しては、最後の数行がかっこよかった。 「勝つよ。きっと勝つ。 そしたら記憶を光らせてやるからな。 という決意を三十秒で失いまたくり返す、三日後に一ラウンド一分三十四秒にTKOであっさり勝つ、そのあっけない結…

さらば冬のかもめ

ジャック・ニコルソンの代表作。 bloodthirsty buchersの曲にね、ジャック・ニコルソンというのがあって。 「君が大人になっっても悪い大人の見本でいたいんだ」 っていうのが好きなんだ。 私は悪い大人の見本がいなかったから、いつまでもこどものままかな…