ぼく自身のノオト

ヒュー・プレイサー、32歳か。恐ろしいくらいに誠実な、正直な人だと思った。

 

「今日、ぼくは、何かのために生きたくはない。ぼくは、ただ生きてみたいのだ。」

「ぼくにはわかっている、僕の人生をよぎるこの不安とは、「こうあるべき」自分と、ありのままの自分との戦いなんだ。」

「この瞬間にぼくがいちばんしたいと思っていることをするようにしよう、昨日ぼくが、ぼくのためにはこうするのがいちばん良い、と決めたことではなくて。」

「完全主義とは、ゆっくりと作法どおりに死んでいくことである。」

「「自分自身でいる」ということは、その時に自分が感じるものすべてを認め、自分の感情のどのレベルに反応するのかを自覚して選ぶことにより、自分の行動に責任をもつことなのだ、と。」

「ぼくのいけないのは、人生を生きようとするのではなく、分析しようとしていること。」

「たいていそれは他人の機嫌をそこねることへの恐れである。そしてほとんどの場合他人が期待していると(あわてて)思いこんでしまったことが自分にはできないんじゃないか、という恐怖である。そういう恐れにかられて行動した後はいつも情けなく、みじめで、つくづく自分がつまらない人間であると感じてしまう。」

「もし、書きたいという欲望に、実際に書く行為がともなっていなければ、その欲望は、書きたくない、ということ。」

「だれかに批判されたからといって、それでぼくの価値が下がるわけではない。」

「ぼくは、君が言っていることだけを聞いていたくない。君がそれをどういうつもりでいっているのかを感じとりたいのだ。」

「ぼくが一人の人をいつも愛していなければならないと信じることは、自分を破壊することになるのだ。」

「もしぼくを君の友だちとして望むのなら、君はぼくのペニスもぼくと一緒に受けいれなければならないだろうね。」

「感情は感覚であり、どれをとってみても、ふたつの感情がまったく同じものであることなどありえない。」

「君がぼくのことをどう思っているのだろうか、とぼくが心配しているかぎり、ぼくはきみに対して心を開いていないし、君を受け入れようともしていない。」

「ぼくは出会う人たちとなるべく早く親しくなりたい。ぼくたちはどうせ長くは一緒にいられないとわかっているのだから。」

バグダッドカフェ

バグダッドカフェ」見ました。1番印象的だったのは、空の色。ラスベガスの近くの何もない砂漠みたいなところだから、地平線がよく見える。空がいろんな色に鮮やかで、圧倒的だった。
あと、「calling you」かな。突きさすような声が忘れられない。
この映画は、ジャスミンを初めとして、いろんなものが、輝いていく瞬間を見るのは、やっぱり楽しいね。得体のしれなくって気味悪かったものが、いつの間にかなくてはならないものに変わってるみたいな感覚、少しわかると思いました。

カッコウの巣の上で

ジャックニコルソンの若き日の名作、かな。
精神病棟での個性溢れるやりとりや、一人の異分子が院内をかき回す姿は、見どころあり。
特に、ビリーの大きな目が良い。
普通ってなんだろう、異常ってなんだろうって思うよね。でも、普段大人しい患者さんたちが、明るい顔で笑う時もあれば、狂ったように怒る時もあって、そういう人の表情の変化がおもしろい映画だった。
ツッコミどころも多めだけど、そこも含めて躍動的。ただ、びっくりしたのは、最後の展開が最近みたフランス映画の「ベティ・ブルー」にかぶりまくっていたことです。とりあえず、苦しい映画だと言っておこう。

静かな大地

池澤夏樹の、「静かな大地」を読みました。アイヌの物語。
最近「宝島」を読み返したばかりだから、南と北での葛藤に、少しだけ知識がつきました。
「静かな大地」もとても分厚い本だけど、池澤夏樹の確かな文章力に支えられて、じわじわと迫ってくるような重みがあって、気づいたら涙が流れてくる場面なんかもありました。少しずつ、未来を奪われていくアイヌと、和人との板挟みになって苦しむ兄弟の物語は、息苦しくも美しいものでした。
私は、「アイヌ」の生き方にはとても興味があって、人が自然を支配することができるとは考えないところとか、野生への憧れみたいなものがあります。
「私たちが二人だったこともある。一人の思いならば他人に別のことを言われると揺らぎもするが、仲のよい二人が話し合った考えはしっかりと立つ。私と兄は、あの時に鍋焼丸の甲板で、初めて見たアイヌに憧れた。」
「山やら川やらに持ち主がいるか?あの広い空に持ち主がいるか?」
アイヌは土地というのが取れるものだとは思っていなかった。刀と鉄砲で取れるものだとは考えもしなかった。そういう考えが頭に浮かばなかった。だから、最初から負けていたのだ。」
「身体はなかなか死ぬものではないが、その前に心が死ぬ。世間からもうおまえは要らぬと言われると、そうかと思って心は死ぬのさ。」
「総じてアイヌは言葉の民である。~アイヌの場合は言葉の力、物語る力がぬきんでていた。そうでなくてどうしてあれほどのユカァ、無数のウウェペケェ、さまざまな神や英雄や動物や美女や悪党の物語が残せるだろう。」
「火の中に入れなかった、と兄はかすれた声で言った。シトナが飛び込み、おまえも、若いニプタサも行ったのに、私はあの場にへたり込んで動けなかった。それだけ言って、兄は泣き出した。声は出さない。ただ両の目からかぎりなく涙が流れた。私はそれ以上兄に何も言えなかった。」
「私は心が石になったように、何も感じなかった。」

気になる

私には、仕事をしていても、あの人の笑顔がかわいかっ たな、とか、あの人にはこういう癖があるな、とか、あの人はこういう風にみんなから愛されるんだな、とか、あの人のこういうところが許せないな、とか、あの人は落ち込んだ顔してたけど元気でやってるかなとか、あの人はどういうふうに育ってきたんだろう、とか、あの人でも失敗することあるんだな、とか、あの人とは、仕事じゃなくて出会えればよかったな、とか、そういうことばかりが気になる。

ベティ·ブルー

3時間に渡るラブストーリーの大作を観ました。主演の2人と、映画全体の醸し出す雰囲気の虜です。
ほんとに、いろんな瞬間が美しかった。言葉が、笑顔が、身体が、景色が、感情の揺れが。
特に、やっぱり主演のベアトリス·ダル演じるベティが、あんなに激しい女の子は唯一無二で、本当に美しかった。
それから、パリでの4人の生活が、明るくて濃密で、少し危なっかしくて、生きてるって感じがして羨ましかった。
こんなにも、誰かとこころを近づけることのできる瞬間が、いつか、私にもあるといい。持ってる情熱すべてをぶちまけるくらい、執着できる対象が生きてるうちに見つかるといい。

パルプ・フィクション

タランティーノ巨匠の映画を、初めて見ました。

デザイン性が、とっても高い。

脚本のプロットも斬新。

つまり、かっこいい。

ユマ・サーマンと、ジョン・トラボルタのツイストのダンスが最高です。