異類婚姻譚

本谷有希子芥川賞受賞作を読んだ。

相変わらず、少し気持ち悪くて恐ろしい、だけど人間の性を巧みに描いたお話を書くのだなあという印象。

リアルで、日常の中に潜む違和感や恐怖を、浮き彫りにしていくのがすごい。

「旦那はむしろ、一刻も早く、私と蛇ボールになりたがっているように見える。バラエティ番組を観る時も、一人で観るより楽しいからと、しつこいぐらい私を付き合わせるのは、自分に注がれる私の冷ややかな視線を消してしまいたいからに違いない。私と旦那が同化すれば、もう他人はいなくなるとでも思っているのだろう」