久しぶりに、穂村弘の歌集。
かっこいいな。自由で、鋭利で、愛があるかんじ。あと、ときどき情けなくて、ロマンティックで、でもドライなかんじ。
「真夜中の中古車売り場で思い切り振って渡した三ツ矢サイダー」
「知ってるか? 自由の女神は10$でどんなことでもさせる女さ」
「チューニング混じるラジオが助手席で眠るおまえにみせる波の夢」
「木曜日 おまえが指さす鳥の巣をみつけられずにこもれ陽のなか」
「校庭の地ならし用ローラーに座れば世界中が夕焼け」
「さみしくて死ぬ奴 木馬のたてがみにリボン結んで手を叩く奴」
「目が醒めたとたんに笑う熱帯魚なみのIQ誇るおまえは」
「神は死んだニーチェも死んだ髭をとったサンタクロースはパパだったんだ」
「ティーバッグのなきがら雪に投げ捨てて何も考えずおまえの犬になる」
「その甘い考え好きよほらみてよ今夜の月はものすごいでぶ」
「お遊戯がおぼえられない君のため瞬くだけでいい星の役」
「忘れたいことを忘れろアルファベットクッキー池のアヒルに投げて」
「愚か者・オブ・ザ・イヤーに輝いた俺の帽子が飛ばされて 海へ」