すべてきみに宛てた手紙

長田弘の教養の深さに感服する。

エッセイを読んでると、自分では決してたどり着くことができない作品に巡り合ったりして嬉しくなる。

好きな人の好きなものを知ることで、つながっている気分になれるからかな。

言葉を、自分のなかに豊かに持っていたいという思いは、いつも変わらずにあります。

いつか、司馬遼太郎もじっくり読んでみたいと思っているけれど。

「死によって明るくされて、ずっと忘れていた大切な記憶のかけらに気づく。街の人込みの向こうに消えた幼い友人の物言わぬ微笑に見たのは、人生という無のなかに友人が遺していった「明るさ」です。」

「笑っている木や、笑っている川を見たことがないですか。」

「記憶は、自分の心のなかに、自分で書き込むという行為です。」

「ファイニス・ライト。没八〇歳。行ってしまった。どこへ行ったか誰も知らない」

「過去はけっして死にはしない。過ぎ去りさえしないのだ。」

「わたしが子どもだったとき、厳しかったのは時代であり、優しかったのは季節でした。」