ジョゼと虎と魚たち

久しぶりに、かなりストライクの邦画に出会ってしまいました。

池脇千鶴が演じるジョゼが、魅力的だった。
足の悪いジョゼ。料理の上手いジョゼ。愛想のないジョゼ。本ばかり読んでるジョゼ。赤ちゃんみたいなジョゼ。偉そうなジョゼ。本当は寂しいジョゼ。
「帰れって言われて帰るようなやつは帰れ」
「あの雲、持って帰りたいな」
「魚たち、そこにいるんやろ、出てこい」

だけど、その強烈な個性に、だんだん耐えられなくなっていく妻夫木の気持ちが丁寧に丁寧に描かれていて切なかった。

「別れたあと、友達になれる女の子もいるけど、ジョゼは違う。俺は、ジョゼに会うことは、もう二度とないと思う。」

妻夫木、情けない役多いけど、でも、画面越しなのに情が乗り移ってくる感覚があるなーと思う。
最後の、突然泣き出してしまうシーンとか、大好きだ。

それと、この映画は、登場人物の癖がいちいち強い。上野樹里、江口徳子、新井浩文、おばあ、弟、金井春樹などなど。愛すべき役者さん達が次々に出てきて嬉しい。

今度、原作読んでみる。あと、サガンも。