「店長がバカすぎて」しか読んだことがなかったから、あまり本作とイメージが重ならないなあ。
丁寧な敬語語り口が少し新鮮で、物語としては引き込まれていくかんじがありました。
社長のキャラクターが鮮明で。
決着が文中では劇的に告げられないで、戦績表を見てはじめてわかる仕掛けになっているのがおもしろいとおもった。
何度も裏切られるかんじが、現実味がある。有馬記念、行ってみたくなった。
馬と人間の一生がリンクしていく感覚がすごい。タイトルどおりだ。
馬も馬主もトレーナーもジョッキーも、時間の流れを書いていてすごい。
「絶対に俺を裏切るな」
「働いてないと存在証明できない回遊魚」
「ダービーの日に感じた観客たちの圧倒的な熱が欲望から来るものだとしたら、この胸を刺すような静けさの正体は祈りなのではないだろうか」
「これから起きるいろいろなことを、私はあなたと恋人としてではなく、家族として迎えたいと思った」