2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ミラノ 霧の風景

知り合いに教えてもらった本。 イタリアの情景が、豊かな言葉で紡がれて素敵だ。さすが、翻訳者。 言葉のレパートリーがすごいのです。 出てくる登場人物も、動作一つの描写や、彼らの纏う空気感を的確に記して、実体を浮かび上がらせている。 イタリア文学…

わら一本の革命

普段は読まない類の本だけど、読んでみたらとても共感するところが多かった。 特に、一切無用論、ね。 この世のいろんなことが、本当は不必要なことだし、何が悲しくて人はこんなに働くんだろうって、ずっと思ってる。 効率化とか、経済成長なんて幸せにつな…

独立国家のつくりかた

坂口恭平の著作は、初めて読んだ。本当に考え方がおもしろい人だし、昔から感じてきた社会への違和感を言葉にしてくれる力のある人だと思う。土地は所有できないのにとか、昔から思ってた。 子どものままの視点を忘れないで生きようとする稀有な人だという感…

school girl

太宰の女生徒、読んでから読めばよかったな。 九段理江作品は初めて読むのだけど、とてもモダンな小説を書く方なのだなと思った。 近未来を描いている感覚が新鮮。自分も娘ができたら、わけがわからない世界に行ってしまったりするのかな。 自分の手の届かな…

伴走者は落ち着けない

斎藤学という人の存在を初めて知ったけれど、面白い人だなあと思う。 催眠術とか使えるのかな、それから未来が見えるのかな。不可解なものには、引き寄せられてしまう。どうして、一瞬で問題点を見抜けるんだろう。 やっぱり、すごく長いスパンで通院してい…

ひらやすみ

シェアハウスっていいよなーって最近の感想。自分も含めてまわりにシェアハウスをしているひとがたくさんいるから、いつもひとが集まれるような場所ってとっても大事だなあって思うのです。 それから、余裕があるって大事。自分のことでいっぱいいっぱいの時…

枡野浩一 全短歌集

久しぶりに読んだ短歌集。 枡野浩一、とてもいいな。切実な感じがする。よしもとばなな、好きなのかな。好きな歌がたくさん。 「こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう」 「無駄だろう? 意味ないだろう? 馬鹿だろう? 今さらだろう…

死刑に至る病

阿部サダヲがすごい。怪演。 宮崎優ちゃんも、めちゃくちゃ魅力的でかわいかった。 最後の終わり方、ゾクゾクする。 サイコパスのミステリー、先が読めなくておもしろい。 街の人たちが、自分たちの生活を大事にしていないように見えた、っていう主張も、わ…

生きちゃった

ラストが圧巻でした。 仲野太賀と若葉竜也、実力派2人の感情的な演技が見れるのは嬉しい。 だけど、少し暴力の描写がきつかったな。説明がないところが多くて、それが良いところでもあったけど、こんなことになるかなって思うところも多かった。 日本人であ…

赤と青のガウン

女王様の執筆ということを抜きにしても、とてもおもしろい留学体験記でした。 文章が、めちゃめちゃ読みやすい。 チャーミングなところや、優秀なところ、品のあるところがにじみ出ていてよかったな。 特に、イギリスは行ったばっかりだったから、知ってる場…

愛にイナズマ

素晴らしかったー! キャストが良すぎる。窪田正孝、松岡茉優も良くって、でも途中から池松壮亮と若葉竜也が現れたときのワクワク感。 佐藤浩一もかわいい。 みんなが隠してて、演じてて、殴りたい感情を抑えて、嘘をついてなかったことにして。 それでも譲れ…

これが生活なのかしらん

小原晩さんの、エッセイ。 読んでるとほっこりする。同世代の人が創り出すものは、いつもなんだか自分の分身をはらんでいるような気がしてしまう。 いつまでたってもむつかしくて、ままならなくて、ばかみたいに遠回りしてやっとひとつのことを学んだり、愛…