2023-09-10から1日間の記事一覧

性交と恋愛にまつわるいくつかの物語

高橋源一郎、こんなに攻めた作品を書いていたとは知らなかった。 めちゃめちゃあけすけに、ユーモアを織り交ぜながら、わりと過激な内容が進んでいく。差別発言的なものもばんばん出てくるし、けっこう圧倒されてすごいなと思った。 人間の、醜くて惨めな部…

卒業するわたしたち

加藤千恵の短編集。短歌と同じで、なんだか感傷的でベタな世界観。でも読んでしまう。 おばあちゃんになっても、たぶん、いつまでも少女の部分がある。 「離婚理由は、この先さまざまなものを共有する自信がなくなったから、だって」 「本当に欲しかったもの…

星の子

今村夏子の星の子。 今村夏子は、淡白で上品で少し奇妙な世界観を持っているイメージ。 無駄な言葉がない。 ただ、宗教団体の一員である親を持った子どもの生活を、穏やかに、偏見なく、たまに鋭く書ききっているのがすごいなあと思う。 静かなのに、雄弁な…