良い映画だった!
まず第一に、失くしもの常習犯の私としては、ものを失くしてしまったときの気持ちが痛いほどわかる。
特に、誰かからもらったりしたものとか、大事なものとか、大事にしてないわけじゃないけど、なぜかなくなってしまって、全然覚えてなくて、でもどうしようもなくて、どこまでも自分が悪い、みたいな。申し訳なくて顔合わせられなくなるし、一緒に探してもらうのとかは迷惑かけてしまうし。なんなら最近キャップもなくした。緑だけど。
失くしものに限らず、実際に知ってる、って感覚が多くて、昔フェリーで偶然知り合っておしゃべりした人のこととか、夜のコンビニの前でラーメンすすってるところとか、その他いろいろ個人的な記憶とリンクしすぎてて、映画見ててもいろんなことを思い出してしまう。
3人が出会う時の温度感とか、凪ちゃんの敬語とタメ口が混ざったしゃべり方とかも、リアルだった。
後半のきらめきがすごかったから、前半との対比が浮き彫りになってて。凪ちゃんがいなくなって、佐野くんの心が壊れちゃったんだなっていうのがよくわかった。
あんな声で、背を向けないでくれ、って、言われたら、絶対背向けられない。
宮田くんのスパハピのリング、捨てたって言った時、沈黙だったのに、決定的に何かが崩れ去った音がしてた。いろんなことが元には戻らないように、二人の友情が、もう、元には戻れないのかなって思う。
super happy foreverというタイトルからも、幸せについてたくさん考えてしまって。
凪ちゃんの、ラーメンでこんなに幸せなんだったらずっと永遠に幸せでいられるってセリフ、よくわかるけど、実際には永遠には続かないし、幸せは瞬間的なものだから、そういう瞬間を積み重ねていくしかないんだって思ったり。(根本的にずっとそこに横たわってるような幸せもあるかも)
でも、一瞬に永遠が宿る事もあって、一瞬でも幸せだったという事実が、その後の人生を支えてくれるみたいなこともあるわけで。
またこういう瞬間がいつかくると思うから、今はつらくても生きていようと思えたり、とかね。
佐野くんも、アンの歌声聞いて、いろいろ思い出して、きっとこれからも凪ちゃんとの思い出を胸になんとか生きていくんだろうなーと思うし。
最後、ホテルの人、アンの赤い帽子に気づくかなって思ったけど、気づかなかった。
でも、赤い帽子をアンが大切にしていたという事実が象徴するように、凪ちゃんはもういなくても、彼女の生きた時間が、周りの人にたくさんの影響を与えてるし、いなくなっても受け継がれるものがあるんだってことを、伝えてくれてたなと思う。
誰かから受け取ったものにはけっこう気づけたりするけど、人は、自分の気づかないところでも、生きてるだけで、周りにたくさんの影響を与えてるんだろうなーと思うのです。
帽子の赤色、パンフレットの赤文字、とってもいい色で、心に焼きつけたいと思った。