久しぶりに読んだ短歌集。
枡野浩一、とてもいいな。切実な感じがする。よしもとばなな、好きなのかな。好きな歌がたくさん。
「こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう」
「無駄だろう? 意味ないだろう? 馬鹿だろう? 今さらだろう? でもやるんだよ!」
「結婚はめでたいことだ 臨終はかなしいことだ まちがえるなよ」
「耐えるのだ ウォークマンの蓄電池ケースのふたがすぐ壊れても」
「本当のことを言わずに済むくらいまじめな顔で話をしよう」
「五年後に仕返しされて殺される覚悟があればいじめてもいい」
「あの夏の数かぎりない君になら殺されたっていいと思った」
「「言葉にはできない」という言葉ならジョーカーみたいにつかいまくって」
「でも僕は口語で行くよ 単調な語尾の砂漠に立ちすくんでも」
「政治家は大なり小なり政治家になろうと思うような性格」
「その嘘をあなたが自分にゆるすならつづければよい でもそれは嘘」
「笑っても泣いても同じなんだから私は泣いていようと思う」
「生きていてよかったなんてよく思う 明日死んだっていいとも思う」
「私には才能がある気がします それは勇気のようなものです」
「来世ではあなたを選ぶ僕がまだ選考委員でなくってごめん」
「私よりきらきらさせる人がいる 私がやっと拾った石を」
「殺さずに生きてこられてよかったな だれかのことも 自分のことも」
「ただひとつ悲しいことがあるだけで私の中のすべてが黒い」
「黒板に書く字は白い そのようにわたしの色を決めてきたんだ」
「ドラえもん あなたがいるということが未来があるということだから」