さよならドビュッシー

中山七里のこのミス大賞受賞作を読みました。

この作家さんは、見聞きしたものを忘れない性分で、一度みた映画などは細かいところまで覚えてるというから羨ましい。

エンターテイメントとして、すごくおもしろかった。

あちこちに細かく伏線がちりばめられていて、キャラの濃い人物が何人も登場し、劇的な展開が次々と押し寄せてきて。

読みやすくて、勇気をもらえるような、良い物語だなあと思いました。

 

「逃げることを覚えると、今度は余計に怖くなる。」

「成功する人間はどこかで無茶をするもんだ。」

「その職業を選択した時点でその道のプロになろうと努力するのは最低限の義務だと僕は思います」

「想いを形にしたものが芸術性だ。」

「情熱というよりは執念。執念というよりは狂気。」

「表現方法というのは、つまりその人間の闘い方だ。」

「希望を奪うだけで人間は内側から死んでいく。」

「どうしようもないこと、運命だと割り切って諦めざるを得ないことなのに、敢えて刃向かっていくような天の邪鬼の精神。」

「聴いてみたくなったんだよ。自ら安息と自由を捨て、その上で恐怖と絶望の中から立ち上がろうとする人間がどんな音楽を奏でるのかをね」