斜陽

太宰治の作品の中で、一番好き。
この時代の作家さんたちが持つ、流れるような描写や表現力はなんなんだろうといつも思う。
最後、弟の遺書が圧巻だった。希望の地盤がないっていう表現はすごい。全体の完成度もピカイチで、やっぱり人間失格とともに太宰治ど真ん中という気がしました。

「不良とは、優しさの事ではないかしら。」
経済学「人間というものは、ケチなもので、そうして、永遠にケチなものだという前提がないと全く成り立たない学問で、ケチでない人にとっては、分配の問題でもなんでも、まるで興味のないことだ。」
「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ。」
「人間には生きる権利があると同様に、死ぬる権利もある筈です。」
「僕は、遊んでも少しも楽しくなかったのです。」
「僕は、人にたかることさえ出来ないんです。」「僕には、希望の地盤がないんです。」
「僕は、素面で死ぬんです。」
「僕は、貴族です。」
「M.C」