現実入門

現実が怖い穂村氏に対する私の共感はとっても強い。
木星みたいに、重力が強い生活のこと。知ってる。
生活に弱いもの同士が恋人になってもうまくいかないこと。知ってる。
次々に浮かぶ妄想を断ち切らなければ生きていけないこと。知ってる。
かっこわるくてもいいんだろうか。

「現実だな。現実って感じだ。わかってはいてもその手強さに改めて怖れの気持ちが湧いてくる。」
「ぼくの血を抜きたければ「ピノキオ」をみせろ、コオロギが歌う場面だ、なんて云ったりはしない。そんなことを云うひとはわがままだ。」
「そして、私たちはふたりとも生活を苦手としていた。週末のレイトショーで観た映画の感想を真夜中のカフェで語り合うとき、私たちはお互いにとても優しくなれた。」
「「あんた、ねーずみだね」と囁いていた。」
「「貧しい時代の、花嫁の夢の全てが一枚のヴェールに込められているのだ、と鉄郎は思った」と私は思った。」
「レッツゴー好印象。ファイン·サンキュー。」