表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

「ナナメの夕暮れ」よりずっとよかった。

旅行記は、羨ましくなるだけだから基本的に好きじゃないけど、とてもよかった。

物事を、公平な目で見ようとする意志が伝わってきた。

若林くんと友達になりたいと思った。(これって、ある種読者の立場として言える作品への最高の誉め言葉かも。)

白々しさを、失くしていけたらいいな。

 

「ニューヨークはどこに行っても金とアドレナリンの匂いがした。」

「この世を一言で言うならば、「オートロックのマンションを探すときには不動産屋でコーヒーが出てくる世界」だ。」

資本主義「勝っても負けても居心地が悪い。いつもどこでも白々しい。」

「だけど、ぼくは革命博物館で「命を使いたい」と思った。」

「東京にいると嫌というほど、広告の看板が目に入る。それを見ていると、要らないものも持っていなければいけないような気がしてくる。」

「サービスをお金で買わない感覚に鈍くなっている自分にも気づいた。」

「日本の自由競争は機会の平等であり、結果の不平等だろう。キューバ社会主義は結果が平等になることを目指していて、機会は不平等といえるのかもしれない。」

「夕方、探検から帰ってくると見慣れた自分たちの街の景色はぼくたちを安心させた。そんな気持ちを思い出させてくれた。」

「ぼくも子供の頃、あれぐらい大きな声で笑ってたよ。」

「東京では。この街では、肉親が死んだ時に悲しみに暮れることさえも、自意識過剰になってしまっている。」

「ぼくが求めていたものは、血の通った関係だった。」

キューバに行ったのではなく、東京に色を与えに行ったのか。」