藤本玲未の歌集。
キュートで少しエキセントリックな世界観がいいなあと思いました。
短歌は、視界の外側から現れるかんじが癖になる。
「飴玉をガリっと噛み砕くように終わりにしたい君をみる癖」
「ゆきみちで銀河鉄道読むきみはポケットに二十世紀をいれた」
「国会に風船というタイトルの絵をみる風船たちのとまどい」
「知っている場所はこの世でひとつだけプラレールからふるさとを見る」
「ありったけやさしさつれていきなさい世界はあなたを救わないから」
「いいことが起きたら強い風が吹くあなたのことがだいすきでした」
「あのひとの動物園を組み立てるわたしに誰か毛布をかけて」
「そうやって春が来るのかありとあらゆる金色を味方につけて」
「死なせたら死んだままだと気付かずにあなたにずっと話しかけたい」
「マンホールにひとりひとつのぬいぐるみ置いてこの星だいすきだった」