2023-03-14から1日間の記事一覧

硝子のボレット

田丸まひるの歌集。精神科医なんだ。 なんだろう、とても激しい。 生と死の、近くで生きているような人にしか出せないような緊迫感がある。 言葉選びに必然性とアイディアあがあってかっこいいなと思いました。 「ふたりだけの間で流行る言葉とか仕草とかば…

オーロラのお針子

藤本玲未の歌集。 キュートで少しエキセントリックな世界観がいいなあと思いました。 短歌は、視界の外側から現れるかんじが癖になる。 「飴玉をガリっと噛み砕くように終わりにしたい君をみる癖」 「ゆきみちで銀河鉄道読むきみはポケットに二十世紀をいれ…

新鋭短歌シリーズ

女の人が多いです。 新鋭短歌の好きだった歌たち。 ランダムで、静かで、やさしい歌がたくさん。 ☆やさしいぴあの 「雨も風も光も春はやさしくて嫌いだなんて言えなかったよ」 「春風にちいさく震えている君のやわらかそうな真心だった」 「じゃあねって言う…

ひとさらい

笹井宏之。 えーえんとくちから、と被るうたもあるけれど。好きな歌は好き。 歌を拾うセンサーみたいなものが、人それぞれ違うことが、おもしろい。 「さーすでいの発音ができないくらいで北極圏へ旅立つなんて」 「この森で軍手を売って暮らしたい まちがえ…