愛がなんだ、小説読んだ。映画見たあとに読むのはすこし気持ちが悪いのだけど、角田光代の好きだったとこ思い出した。
「何もかもが完璧すぎて、泣きだしそうなのをこらえなければならなかった。
こんなとき、赤坂にある殺風景な仕事場に、フロアの女の子が全員自分を嫌っているような場所に、欠勤の電話をかけてみようかと思いつく人間なんて、この世のなかにいるのだろうか。」
「なんだっけ。なんでここにいるんだっけ。なんで私は笑ってるんだっけ。」
「そうじゃなく、マイナスであることそのものを、かっこよくないことを、自分勝手で子どもじみていて、かっこよくありたいと切望しそのようにふるまって、神経こまやかなふりをして、でも鈍感で無神経さ丸出しである、そういう全部を好きだと思ってしまったら、嫌いになるということなんて、たぶん永遠にない。」
「私を捉えて離さないものは、たぶん恋ではない。きっと愛でもないのだろう。私の抱えている執着の正体が、いったいなんなのかわからない。」