久しぶりの、恩田陸。
チョコレートコスモス然り、演劇ものはおもしろい。
複雑な入れ子構造で、少しわけがわからなくなってしまうけれど。
恩田陸の小説には、ページをめくらせる力がある。
「でもね、やっぱり、今まで残ってるものって、それなりに理由があるのよー要するに、骨格シンプルな骨格を持っているもの」
「あたしは最近意味もなく走ったことがあっただろうか。走ることを楽しんだことがあっただろうか。」「あたしは本当に走っていたのだろうか。嫌々走らされていただけなんじゃないか。どこかで、走ってあげてるんだと思ってたんじゃないか。」
「あの時、決心したの。もう他人に走らされるもんか。」
「本当に親しい人たち、安心しておつきあいできる人たちの間では、言葉がいらない瞬間がしばしば訪れるでしょ。」