神様の友達の友達の友達はぼく

言葉があふれ出てくるような最果タヒのエッセイ。

自分にしか見えないものを、信じている人の文章だ。

他の誰からも聞いたことないような、でも納得してしまうような、そんな感覚や主張が次々に繰り広げられていてすごいなあ。

「ひどいことを言った相手が過剰に守られている」「負けるな、じゃないんだよ、戦わせんなよ」

「終わってんじゃねーよ、わたしの人生だろ、人生。やっていこうじゃないか、永遠に、惰性を重ねていこうじゃないか。」

「どちらかといえば大人の友達のほうが責任を持っているし純粋な関係だ。」

「彼女とずっと遊んでいたかったからではない、彼女と友達でいたかったからではない、私が彼女になにをされようが、彼女が私をどう思っていようが、私が彼女を好きだろうが嫌いだろうがどうでもよかろうが、私たちが友達であるということとは全く関係がなかったから。そういう時期があった。そういう時期を忘れてはいけない。」

「ぼくは、悪意より善意より、人間が自らをコントロールしきれないということが、時々とても怖くなります。」

「誰かが生きているということを、理解することはきっとできないし、だから、100%彼らの幸せを祈っているとは断言できない、そう思うことが、ぼくの最大限の誠実さだ。ぼくはぼくの危機的状況を、生き延びて、ここにいて、だからだれかの危機的状況に「なんとかしなくては」と感じてしまう。それを、愛と呼ぶ勇気を、ぼくは決して手放さない。」

「わたしの心の壁は、わたしのものです。あなたにぶち壊す権利はないと、静かに言える強さが欲しいわ。」

「私は、誰でもいつかは死ぬのに、死ぬということを語るのを恐れるというのは、とても怖いなと感じています。」

「「もっとがんばれ」ではなく「がんばっているね」と伝える人に、なりたい人はきっと多いよ。」

「言葉を放棄してしまう「感動」が、たぶん空っぽさに対する、一つの正直なリアクションなのだろう。」

「成人してもうかなり時が経ったのにいまだに自分の願望や性格の幼さにびっくりし、それが世に出ないのは単純に体力や精神力が衰えたからだというそのことに絶望するのだった。」

「どうしてそんな、その人が本当は言わなくてもいいことばかりを言わせる世界になってしまったんだろう。」

「書店はいつもあなたは選ぶ側なんだということを教えてくれる。」

「永遠に読んでいてほしいとも思うけれど、それよりも、人生のある一瞬を焼き付けるようなそんな刹那、力強さを持ちたかった。」

「うるせえな空は才能で青いのかよ」

「自分にしか見えないものを、ちゃんと信じている人の文章が好きです。」

「さまざまなメガネをかけて、うまくやっているけれど、でも本当はおふろにはいるとき、ふと裸眼に戻って泣きそうになることがあるんじゃないかと思っている。」「誰のことも傷つけずに話し続けられる人こそが繊細なのは当たり前のことで」