「教団X」から受け取ったもの

中村文則の「教団X」を読んだ。
読み終わった後、小説ってやっぱりすごいなと思う作品にたまに出会うけれど、「教団X」はそういう作品だった。
宗教の話。宇宙の話。性の話。善と悪の話。戦争と平和の話。いろんなテーマの話ががずっしり散りばめられていて、そういうものをいろいろと背負いながらストーリーが進んでいく。
心に残った場面。

「世界で不愉快なことがあった時、世界と合わないと感じる度に、その世界の中で自分が好きなものだけを丁寧に選び取り、その中で慎重に生きてきた。」

「ようこそこの世界に。あなたは今、命を手に入れることになった。無の世界から、束の間の有を手に入れることになった。これからこの世界を、全身で夢中になって楽しんでください。まるで初恋をした中学生のような気分で、全力でこの世界をいつまでも楽しんでください」

「私達は、世界を肯定しましょう。世界の全てでなくてもいい。世界の何かは肯定しましょう。」