十五歳の残像

15歳の頃、何を考えてただろう。
はじめてアメリカで暮らして、自分のできることの少なさに打ちのめされるとか同時に、今よりもずっと前向きな気持ちで世界を見つめていた気がする。
いろんなひとの、個人的な話を聞くのはやっぱりおもしろい。

甲斐よしひろさん
十五歳のときにいちばん怖かったことは、情愛だって。
「自分の歩んでいこうとする道を、うしろから情にひっぱられてしまうのがすごく怖かった」
「でも、表現するといことはそういうことでしょう?イメージをある程度限りある形で強く打ちだしていく、というのが表現なんだから」

安西水丸さん
「僕は、生きるっていうことは時間を与えられているっていうことだとおもってるんです。だからその時間のなかで、やりたいとおもったことはきちっとやりたいし、近づきたいとおもっていれば、いつかそうなっていくとおもってるんです。」

長塚京三さん
「あたかもなかったかのように、いろんなことをしてきた」

五味太郎さん
「これは笑われるんだけど、いつも寝るときに、きょうはよかったね、あしたはもっといいかなって思うんだよね」

宮本文昭さん
「一度、美術の試験のヤマがはずれて、答案用紙に大きくひとこと、無念、とだけ書いて提出したこともある」