ひとりでカラカサさしていく

江國香織の最新作、かな。
綿矢りさが、コロナは誰も描いたことがないから文学的な題材だといっていた。
コロナのせいで、私たち、ありえないことが本当に起こってしまうこと、みんなそろって体験してるんだなと思う。

猟銃で3人で死ぬっていうショッキングな事件を、まるで日常の延長かのようにやすやすと描いてしまう江國香織がやっぱり好き。

「その大騒ぎは赤ん坊が生きている限り形を変えて続くのだ。」
「そもそも誰かに全てを説明することなど不可能なのだと翠は思う。そう考えることは淋しかったが、そう考えてはじめて許せることがあり、翠はそれを、父親の死で痛感した。」
「新年を祝うのは、その年を生きる人々であるべきだ。」