泣く大人

私は、小さい頃から、自分に合った本をおすすめしてくれるとっても気の合う友だちがほしいと夢みてきたけれど、最近エッセイをよみはじめて、そんなものはいらないかもしれないと思っている。
エッセイでは、私の大好きな作家さんたちが、きちんと、影響を受けた作品とか、大好きな作品とか教えてくれてたから。
江國香織のエッセイ。「泣かない子供」も今度読む。男友達の話がたくさん載っててね、よくわかる気がした。男友達ほど贅沢なものはない。生活を背負わなくていいもの。快楽は分けあっていいが、疲弊は分けあわないこと。
著者の人柄や生活がわかるような描写もたくさんあって、とっても魅力的なひとだとわかる。「たいくつ新聞」というのを書いていて、役に立たないことばかりに熱中する子どもだったこと、動揺しやすくて、自分が運転しているという事実に恐怖してしまうから運転ができないこと、一緒に旅をして、こんなに気持ちのいいひとはいない、という言葉が人生最大の褒め言葉になりうること、ロバがほしいこと。

「でも、何かを創るというのはそういうことだ。」
「私は、現実や日常がくるっと裏返る、あの瞬間を愛している。」
「私の考える男らしさや女らしさとは、つまり、一般論を身につけない、ということなのだ。」「いつもいつも一緒にいてくれることが無理でも、いつもいつも一緒だと思わせることは可能なのに。」
「幸福な瞬間をたくさん持つと、人は勇敢になると思う。」