エッセイは、やっぱり、作家さんの人間らしいところが見れて興味深い。
恩田陸、本当にミステリが好きで、物語が好きで、そして仕事人。
たくさんの小説を送り出してくれてありがとうございます。
恩田陸の小説は幅が広すぎて読めば読むほど作者のイメージがしづらいけど、1作だけ、なんとなく恩田陸の素の部分が見えた気がした作品が、「ブラザー·サンシスター·ムーン」で、かなり好きだった。
いつまでも、読者としての気持ちを忘れないひとなんだなあ。
他の人の面白い本を読んで、「いいなあ、あたしも作家になりたいなあ」と思う、ってことば、すごく痺れる。
生まれてから現在までに読んだ本を、読んだ順番に全部目の前に並べて見せてくれる図書館があったならっていう気持ち、めちゃくちゃわかる。すぐ忘れちゃうんだもん。
「本を読まなくなったら、私は書かないだろう。」
「つまらない本にあったら激怒したい。」
「世の中ってなんて美しいんでしょう。きっと美しいということのためだけに作られたのね。」
「同性であれ異性であれ、みんなにいい出会いがあって、「ときめき」や「切なさ」を馬鹿にしない、カッコいい大人になれますように。」
「なぜ私たちは急がなければならないのだろう。美しい夕焼けを見る時間も、愛する人と話す時間をも惜しんで、なんのためにこんな恐ろしい勢いで走らされているのだろう。」
「一つの番組なら、三十分、きちんと伏線はって最後の目標目指して語りきらんかい!」
「あの子は早く今の年に見せようとしてこれまでの時を無駄にしてきたけれど、今後は今の年のままでいようとして、これからの時を無駄に過ごすでしょう。」
「書いてしまへば書けないことが書かないうちなら書かれようとしているのだ」