パラレルパラレル

短編集。すごすぎる。

圧倒的な才能だ。

言葉の輪郭がくっきりしている。

フラットに、でもとても鋭く尖ってみえる。

小説書いてても、ここまで詩人なのはこの人しかいない。

 

「いえす、恋でふるえる精神のビート、心臓のビートを蒸気にかえて、発電するマシンよ。私の恋は必ず閾値に達して、雷になる。」

「受け入れられない愛なんて、電気にするしかなかった。」

「ぼくはきみの友達だから。きみが、ぼくの嘆きを受け取れないのはわかっている。きみはきみの罪には誠実でいたらいい、それはぼくの友としてのアドバイスだ。ただ、ぼくはきみの友達を辞めるつもりも、きみを悼むことをやめるつもりもない、というだけ。たとえきみに殺された人々に囲われても。」

「きみは唯一無二の、常に救われ、常に愛されるべき人間だったよ。誰かにとって誰かはそうで」「でも、きみの罪をぼくらは許してやれない。」

「友情には金がかかるのだ。」

「ずっとゆりちゃんは元気で、俺たちは同棲してて、ずっとそのまま終わってく」

「よくわかんないんだけど、結婚って、本気ですることなんだろうか。」

「俺はプロポーズがしたいのかもしれない」

「なんだって無責任な存在感が重要だったりするよねえ、重役会議とか」

「猫になりたいんだよなあ。いいよな、あれはちゃんと透き通っている」

「たぶん結婚だと失敗する」「でもこの世にはそれしかない、だって俺は人だから。」

「美しい場所でわたしは、たださみしい。ただ、とてもさみしい。」