最近、山本周五郎賞をいろいろ読んでいて。
好きなタイプの小説ではないけど、筆者の観察眼がするどい。
基本的に形振りかまわない迫力があったけど、後半、真織の豹変がいくらなんでもぶっとびすぎてて、ちょっとがっかりしてしまった。みんな、堕ちていくかんじ。
そんなに必死にならなくても、友達なんてできるのに、と思った自分は恵まれてるかな。
「あの時、翔子はこの家の法則を学んだのだ。動いた方の負け。」
「言わなくても感じとってもらえると思い込み、何もしないでいることほど傲慢なことはない」
「それでも、仕掛けられた競争から逃げることは可能なのだ。徴発されても、くるりと背中を向けて、目の前の作業に没頭することはいつだって出来るのだ。どんなに弱くても、何も持たなくても、たとえたった一人でも」