2024-03-10 荒地の家族 芥川賞受賞作ですね。 とても静かで、寂しくて、なにもない小説。 東北の、口下手な中年の男の人が背負ってるもの、見せてもらった気がした。 主人公の見てる景色やこれまでの人生がが、ぼんやりとした情景として、目に浮かぶ。 「元の生活に戻りたいと人が言うときの「元」とはいつの時点か、と祐治は思う」 「生きている間の辛苦は本人と共有できるが、死は別だ。死だけは本人ではなく、側にいる人間が引き受け、近いほど強烈に感じ続ける」