荒地の家族

芥川賞受賞作ですね。

とても静かで、寂しくて、なにもない小説。

東北の、口下手な中年の男の人が背負ってるもの、見せてもらった気がした。

主人公の見てる景色やこれまでの人生がが、ぼんやりとした情景として、目に浮かぶ。

「元の生活に戻りたいと人が言うときの「元」とはいつの時点か、と祐治は思う」

「生きている間の辛苦は本人と共有できるが、死は別だ。死だけは本人ではなく、側にいる人間が引き受け、近いほど強烈に感じ続ける」