ほかならぬ人へ

とても恋愛小説のイメージが強い著者。

直木賞受賞作なんだな。

どうしても、この人じゃなきゃだめなんだって、思える人がいるの、なんだか羨ましいような気がする。

自分では、どうにもならないのが恋愛かな。

未来の自分が今の自分を裏切るって感覚、よくわかる。結局、無理をするとどっかでひずみが生まれるんだろうな。

黒木の人間性、けっこう好きだった。嘘つきで勝手で凝り性で変態で有能、みたいな。

「結婚は一度はしてみるものだと思う。でも、長く続けるかどうかは人それぞれでいいんじゃないかと私は思うよ」

「だが、なずなは、いずれその選択を自分自身の手で裏切ることになるだろう」

「結婚なんてのは、とりあえずいまの自分で◯と思ってるときにするもんだ。俺やあの女みたいに何かを変えようとか、違う人間になろうとか思ってしちまうとろくなことはない」