ふとんを並べて寝る

みんなでふとんを横に並べて寝た。
なんとなくわくわくする。
修学旅行みたい。
眠れない。
見えるのは天井だけ。
お互いの距離感だけが分かる。
会話がはずむ。
まっくらな闇に声だけが飛び交う。
なんか、声って魂みたいだ。
闇の中で、魂を交換し合っている。
隣の子の顔を盗み見る。
私の飛ばした魂を誰が受け取ってくれるだろう。
みんなでふとんを並べて寝る。
ただそれだけのことが、どうしてこんなに特別なんだろう。



「みんなで夜歩く。ただそれだけのことが、どうしてこんなに特別なんだろう」(恩田陸夜のピクニック」)