カツセマサヒコの2作目。期待していたよりは、なんだか、洗練さが少なかったような。ちょっと強引なところが多かった気がした。
だけど、不寛容な、自分のことを棚に上げて他人を事情も知らずに糾弾するような、世の中に対する著者の憤りが伝わってくるような。
「この人は、音楽をやっている自分が好きなだけで、音楽自体を好きではない。」「どうしてこうも私は、いとも簡単に、自分は誰かを救えると勘違いできるのでしょうか。他人から受ける愛情や優しさで救えるのは、それらをまっとうに受け止めて育ってきた人たちだけであると頭ではわかっているはずなのに」
「だから気付けないんだよ、自分が人を傷つけてるってさ」
「この、復讐したいって思うほどの怒りがさ、時を超えられるかどうかだよ」
「まさか犯罪者に寄り添いたいと願う人生になるとは思わなかったな」
「恨むことでね、宮部さんのことを ずっと好きでいられる気がするんだ」