ムーミン、ちゃんと読むのははじめて。
みんな、それぞれのキャラクターが人間らしい複雑さを抱えていておもしろい。
自分勝手で人の話を全然聞いてないところとか。ものの数分で、見えてる世界がころころ変わってしまうしところとか。変なこだわりにしばられてるところとか。
でも、思い当たる節がたくさんあるのだ。
看板嫌いのスナフキン。
探しものをしていると、みんなにうるさく聞かれることがいやなスクルッタおじさん。
それから、自然の情景を表す言葉がきれいだな。ゆっくり読みたくなる。
「家ってやつは、どいつもこいつも、気に入らないな。」
「ママというのは、こんなふうに、まるっこくなくてはいけないんだな。」
「目がくさるほどねむりました。」
「たのしくすごすって、ほんとにわけのないことよ。」
「なんでも、たいせつな意味が、いっぱいあるように思えてきました。」
「鉄みたいに冷たい空気が鼻にふれます。」
「ムーミンなんて、だらしのない一家じゃないの」
「ただ、しんせつなだけで、人のことが、ほんとうにすきではないような友だちなら、ほしくないや。それに、自分がいやな思いをしたくないから、しんせつにしているだけの人もいらないや。」