すべての真夜中の恋人たち

川上未映子、1冊目の「あこがれ」が少し印象に残って、2冊目に手を伸ばしました。

この人の作品は、全体的に好きとは言えないけど、ちょこちょこ自分にとって引っかかっるような場面や描写があるなーと思います。

なんか、小説とか読むのは、基本的にはこの本の主人公みたいな、ひとにいらいらされるような人間が多いのかなーと勝手に思っていて。

だって、現実的で地に足着いてるひとは、実用書とか、たくさん読むじゃない、っていう偏見だけど。でも、たぶん、なんでも器用なこなせてしまうようなひとは、小説とか、必要ないのかな、とも思うんだもん。

だから、あえておもしろくもない主人公のことを本一冊分書き続けた作者の情熱が、すごいなーと思うし、なんかまあ勝手に少し嬉しいわけです。

 

「夜のなかの、光をかぞえる。」

「考えれば考えるほど、最後にはいつも自分の気持ちのようなものがわからなくなって、それで行動性をおこせないままにやってきただけだっだ。」

「わたしはね、そこにぐっとくるの。ほんとにぐっとくるのよ。」

「あなたを見てると、いらいらするのよ。」