金米糖の降るところ

たまに出てくるスペイン語が懐かしかった。姉妹の結びつきというのもよくわかった。私たちは時々、私たちにしかわからないような言葉で喋ることがあるから。江國香織の凛とした作品たちは、覚悟を決める勇気をくれるような気がしてる。欲しければ奪う、そのための強さを持てますように。

「現状打破のためのツールでもいいよ。」
「自分の一部は、たぶんいまもあの国にあるのだ。永遠に回収されない気象衛星みたいに。」「自分への自信がそのまま他者への信頼につながってしまうようなところが、達哉にはあるのだった。」
「星空を見ると思ったものよ、あれは全部金米糖なんだって。」
「妹に見捨てられたような気持ちと、理屈に合わないことだが妹を見捨ててしまったという気持ちの両方を、おなじくらい強く感じて戸惑った。」
「マティアスとつきあっていたころも、会えなければとても寂しかったけれど、空は美しいままだった。」
「つまり私たちは、食事をしながらダンスを踊っているようなものだったのだ。」
「つくり変えるためには、でもまず壊さなきゃならないわ。」「壊すのは簡単だよ、もったいないとさえ思わなければいいんだ。」
「二人でいないとどちらも安定しないような気がしていた。あるいは世界が安定しないような気が。」
「世界じゅうに反対されても自分たちが正しいとわかってしまうというのがどういうことか」「欲しければ奪いなさい。ミカエラも、ほんとうはそう思ってるはずよ。」