私の大好きな下北沢。吉本ばななの住んでいた街。
彼女の作品も、やっぱり小説しか読んだことなかったから、エッセイは初めてだ。
だけど、小説もエッセイも同じなのかもしれない。
やっぱり、私には、この人の言いたいことがこころから「わかる」ような気がするのだし、非常に繊細で曖昧な感性を、人に伝わるように表現できる力量にいつも感激してしまう。
ひどく主観的なのに、主観を持っている位置が客観的、というかなんというか、不思議な魅力があるよね。
「今の時代にはみんな隙間を許されていない。」
「街が夢見ていた頃の、その夢の気配を持ったままで創作していきたい。」
「彼女の話を彼女の弟とするのを私に聞かれたくない、その気持ちが悲しかった。」
「いつか日本人もアートの力にほんとうに気づくといいと思う。」
「彼らがどれだけの現実的な手間をかけてあの場所に立ったかを気づくのである。」