世界が僕らを嫌っても

タイトルに、ひきがある。
最近、本を読んでると、うつらうつらして、すぐにねむってしまう。健康的でないと、物語を楽しむ体力すら奪われてしまうから。
生理痛の中、むずかしくて、伝わらないのに、やっと文字を追い終えた、そんな気がした。

「一瞬、確かに見えたのだ。女性を後ろから抱きとめて、中空に舞い上がる天使の姿が。物語をはじめなければならない。長く会うことのなかった、遠いともだちの物語を。」
「自分が自分とはぐれている気がした。」
「いつかわたしは、この人のことを見分けられなくなるかもしれない。」
「かつて二人のあいだにあったもの、親密さとか愛情とか、何かしら温かみのあるものに、いつのまにか冷たい無関心が取って代わったのだ。」
「そこに愛のような何かがあると思っていた場所は、いつのまにか倦怠や無関心に覆われ、ときに恨みや憎しみにかたちを変えることもある。」
「幽霊には魂がないから、どんな奥の手を使ってでも汚すことはできないのに。」
「踊ることや演ずることが、彼女にとっては生きることだった。」
「自らの生と死によって言葉以上のものを伝え、伝わらないものを残していった、という気が耕太郎はした。」
「ええ、信じたの。」