また本屋大賞獲ってしまいそうな勢い。とてもよかった。
長い年月をかけて変わっていく2人の姿が、とってもリアルで切実で。
状況や心境の繊細な描写がすばらしい。
ヤングケアラーの過酷な人生を書いていて、多くの人の心に響くような物語だと思った。
瞳子さんや北原先生や尚人君や、登場人物が魅力的。
正しさを捨てる勇気を、私は持てるかな。
部分的に切り捨てたりすることって、本当に難しいことです。
「南瓜型のヘルメットをかぶって通学している下級生を見たときは、あまりの純朴さに胸を打たれたほどだった。」
「足りないことは俺にとって苦しみや寂しさでしかない。」
「自分で勝手に幸せになれ。」
「ねえ暁美ちゃん、いざってときは、誰になんて言われようと好きなことをしなさいね。怖いのは、えいって飛び越えるその一瞬だけよ。飛び越えたら、あとはもう自由なの」
「あなたたちは本当に良い子。でも褒めてないのよ。」
「俺にとって物語は現実から逃避するための手段だったのに、だんだんとそれでは通用しなくなってきている。」
「彼女っていうか、なんか実家みたいだな」
「部分的に捨てる選択肢もあるんやで。」「全部担いでこ。」
「強いんじゃなくて、愚かになれただけだと思う」
「彼女を放っておくことは、自分を殺すことと同じに感じていました」
「誰かわたしを助けてほしい。でも誰もわたしにさわらないでほしい。」
「誕生日くらいでグズグズ言うのなら、最初から応援するとか支えるなんて言わなければいいと思った。」
「こいつは昔から綺麗なものを書くのが好きだった。」
「書いてくれよ。今度こそ。死ぬ気で。」
「少しでいいから荷物を持ってあげられる、それくらいの大人でいてよ」
「正しさなど誰にもわからないんです。だから、きみももう捨ててしまいなさい。」
「みんな変だね」