おめかしの引力

エッセイブーム、ふたたび。川上未映子です。
失敗ばかりというけれど、やっぱり生き様がかっこよい。
ユーモア全開で、大阪の女感とか、垣間見えておもしろいなあ。
鋭い考察がバンバン刺さる。
ブランドものに、いつか手を出す日が、くるんだろうか。

「金輪際、何の心配もいらない肝っ玉感、合言葉はもちろん「どすこい」、これ以外には何もなかった。」「合言葉に「どんとこい」を追加だよ」
「地に足がつくという安定感がわたしにとっては不安であるという、どうしようもなさ」
「若い子の服はもう似合わないんだよ。似合う似合わないとかのレベルじゃなくて、耐えられないんだよ。」
「「いつか」も「いつだって」も存在せず、この言葉を信じた者から順繰りに、ただひそかに終わっていくのみなのである。」
「過去と現在と未来におけるときめきが組んずほぐれつ、やんややんやと合唱するなか、部屋はどんどん狭くなり、もうどこにも逃げられない。」
「まるで光に吸い寄せられる蛾みたいに、あるいは解き放たれた三歳児みたいに、完全に伊勢丹と一体化していたわたしの両手には二時間後、いっぱいの紙袋が。」
「お願いだから貯金して!泣 by未来の自分」
「なにかを推すというのは、やっぱりそれを推してる自分のことを自分で推してるってことだから。」
「文学というものにもし意味があるなら、そのひとつは彼らの声を掬いとり、書くことで生きさせること。」